おおっと、半月近く開いてしまいました(汗)
ウェブショップにはあまりニュースが無いのですが…工房では色々と、来年に向けての計画や、モノづくりが進んでいたりして、店長もなかなか忙しい最近です。


さてさて、もうひと月くらい前になってしまうのですが…
苧引きをした工房近くの苧麻たちのその後です。

秋の気配の9月末。わっさわっさと伸びまして、娘の背よりも高ーくなりました!


でもみずみずしくフレッシュな感じだった盛夏よりは、ちょっとさみしい感じ…


どうやら虫が付いて、バリバリ葉っぱを食べているみたい!
涼しくなって麻の勢いが無くなってきたからかな…?


でも良く見ると、花が咲いていましたよ〜
小さくて可憐な雰囲気の花です♪

このまま実がなるまで観察できるかな…?と思っていましたが、その後また町内会の草刈りで、バッサリ根元から刈られてしまっていた苧麻群生地なのでした…たはは。

急に冬めいてきた彦根、そろそろ苧麻も枯れてしまうかな…?
さて苧麻から繊維を取り出す!麻の苧引き後編です。
前回は苧麻を刈り取って皮をはぐ作業でしたが、むいた皮からさらに繊維を取り出さなくてはなりませんっ。これが、苧引き!

刈り取った苧麻を工房に持ち帰って、早速苧引き開始します…師匠曰く、もし刈った後すぐ苧引きできない場合は、皮を流水の中に漬けておけば2〜3日は持つそうですよっ。
ほおっておくと皮と一緒に繊維も古くなって傷んでしまうので、早めに苧引きしちゃうのがオススメみたいです。


苧引きに使う板と刃…名前は何ていうんだろう?
師匠が福島県で苧麻の栽培をしている昭和村さんに行って譲ってもらってきた道具です。この道具で、皮の緑の部分をそぎ落としていくのです〜


ちょっとピントが合わなかった…(汗)

葉の根元の方に、刃を当てて一気に折るように力をかけると、繊維は切れずに皮だけがぱきんと折れます。これが結構ムツカシイ!慣れないと力加減が分かりにくいです…


板に当てて、刃で一気にこそげとりますっ。透明の繊維が見えてきましたよ〜〜!



根元まできれいに落として、乾かすとこんな感じに。繊維だけになるとこんなに白くきれいになっちゃうんですね〜!ちなみに、これは師匠の作。私のはやはり緑の部分が残ってしまい、乾燥後は微妙に茶色く変色してました…うーん、精進が足らない(汗)


数年前にこの苧麻の刈り取りを始めた師匠、結構慣れてきたそうですがそれでも一日がんばって取れる量といったら、ほんとうに一つかみほど。

そんなちょっぴりでも、いつかはこの麻で紡績してメイドイン滋賀の新之助上布を作れたら、とちょこちょこ溜めこんではいるのですが…この調子だと道のりはずいぶん遠そうです(涙)
日本には現在工業的に麻を大生産しているようなところが無いそうで、機械紡織で使うような大量の麻をどうやって苧引きしているのか謎なのですが、中国ではどうやっているのかなあ…?


そんなわけで、今の新之助商店のメンツではまだまだ人手不足なのですっ(涙)師匠と、苧麻のお引きして、バーベキューでもする会を設立したらどうだろう?言うてますが…興味のある方、来年の夏はご一緒に麻の苧引きをしてみませんか?参加者絶賛大募集中でございますっ!
もう先月のことになのですがっ
工房近くの土手にある苧麻畑(←畑と言うより、自生地です(笑)で、今年も苧麻の苧引きを行いました!
土手は工房から歩いて5分くらいのところにあり、数年前から師匠が苧引きを続けています。仕事の合間の作業ですので今は本格的に量がとれる段階ではなく、地道な活動なのですが…店長も今年苧引きを教えてもらったのでざっくりその様子をお伝えしたいと思います〜



暖かい地方では年中育つのだそうですが、彦根の冬は寒いので、麻は初夏から秋にかけて育ちます。繊維がとれるのは6月〜8月。その間に2,3回刈り取り作業を行えます。育ち過ぎると繊維が堅くなるのでその度に畑ごと根元から刈り取ってしまいますが、負けずににょきにょき生えてきます。
写真は8月の中旬。実はひと月ほど前に町内会の草刈でばっさり刈られていたのですが…もう娘の背丈よりも大きいくらい!



刈り取りのお供は、鎌と、軍手と、水を入れたバケツ。
苧麻が育って刈り頃になると繊維がしなやかになり、素手では手折る事が難しくなります。鎌を装備して、人差し指くらいの太さかな?程良く育った苧麻を選んで刈っていきます!


ざっくざっく、あっという間に15本近く刈れました。


繊維は皮の部分に入っていますので、畑で剥いて帰ります。まずは茎から葉を取り除き(この時、葉と一緒に皮をむいてしまわないように注意です!)


刈った根元の方でぱきんと折ります。芯は折れますが、繊維の入っている皮はつながったまま。


芯と皮の間に指を入れて、葉先の方へ指を滑らせるようにして剥きます!
しゃーっ!っと一気に剥いちゃうのが爽快〜♪


ぺろーんと皮がむけました!上手くできると、一つの茎から1枚か2枚、繋がった状態で剥けるようになります。ある程度まとまっている方があとで苧引きがしやすいのです。

剥いた皮はすぐに、水を張ったバケツの中へ。皮が乾いてしまうと後で苧引きしづらくなるそうで、このまま持って帰ります。

たくさん刈ったと思ったけれど、皮だけにするとこんなに少なくなっちゃいました。


この苧麻はラミーとも呼ばれ、ズバリ新之助上布の原料になっている麻なのです。現在工房で使用している糸は残念ながらこの近くに生えている苧麻ではなく、中国産のものを国内の広島で紡績したもの。
けれど師匠の野望は、いつかメイドイン滋賀の麻で糸を作って織ってみたい!ということ…全く人手が足りてませんので実現にはまだまだ時間がかかりそうですが、私も純国産の近江上布を見てみたいな〜

さて、次回はいよいよ皮から繊維を取り出す!苧引きの本番ですっ

新之助上布は麻の織物。もちろん原料は麻なのです。
近江上布の事をもっと良く知りたいな!と店長いろいろお勉強中…。原料の麻については、「麻のはなし」カテゴリで色々記録して行こうと思っています♪


さてさて、麻とひとくちにいっても、種類が色々…最近洋服や小物で良くつかわれるのはリネン(亜麻)。現在新之助上布に使われているのはラミー(苧麻)です。近江上布はその昔はヘンプ(大麻←おおあさって読みますよ〜)を使っていたそうです。でも近代になって、大麻の栽培が規制されるようになったので、原料は大麻から苧麻に変わったんだとか…大麻は今も、勝手に育てちゃいけない植物です。時々ニュースでも、タイマ取り締まりってニュースになってますもんね。
今は大麻っていうと麻薬!ってちょっと怖いイメージですけれど、昔むかしは工房のある集落でも大麻を育てていたそうです。大麻って織物の原料になるだけではなく、実が食べられたり(今でも麻の実って七味トウガラシの中に入ってるんですって!)結構お役立ちだったみたい。吉祥柄に麻の葉文様というのもありますが、あれは麻の葉をかたどったもの。すくすく育つ麻にあやかって、健康に育ちますように♪な願いが込められた模様なんだそうですよ。
そんなこんなで、大麻って身近な植物だったみたいです。


現在新之助上布で使う糸の原料は苧麻。原材料は中国産です。紡績(新之助上布の糸は機械紡績です)は広島でお願いしていて、染めから先は地元滋賀県です。原料から国産にできれば理想的だと思うのですが…国内で産業として麻を生産しているところは皆無だそうです。
もちろん国内の麻の生産がまったく無いわけではなくて、文化財指定を受けている宮古上布や越後上布などは、麻の栽培から糸作りと、地元や近隣の地域でされているそうです。新之助上布も、近江上布の昔からの生産方法に忠実であろうとすると国内産の原料を使ったり、大麻の手績み糸(手で紡織した糸)を使うべき、ということになるのですが、それをやるとおいそれと手の届かない値段になってしまう…本来の形を出来るだけ残しつつ、ふだん着の麻織物として、お商売が成り立つ値段に持っていくギリギリの綱渡りです。


織物って、織る工程ばかりに目がいっていましたが、実際は原料の調達から糸作り、先染めの織物ならまず糸を染める工程があって…織るのにも実際織り始めるまでに糸の準備をしたり、織り機に糸をセットしたり、たくさんの工程があって、もちろん色んな人の手がかかります。単純に織り屋さん一件では成立しないのが織物ってやつみたいです。
日本には色んなところにその土地特有の織物がありますが、○○織り、の織りそのもの意外に、原材料は、糸作りや絣付け、生地の加工といった織り以外の作業は…と、そう考えると、一つの織物が残っていくというのはなかなか、大変なことなのだなあと思います。


何だか麻の話からちょっとそれてしまいましたが!
そんなわけ(?)で新之助上布の原料の麻、使っているのは中国製ながら…


今も近くの土手にはほら!


苧麻が自生しているんです。

麻が育つのは暖かい季節。芽が出るのは5月です。ちょうど袷を脱ぎたくなるような気温になったあたりかな…?何にも無かった土手に、↑こんな感じで、ひょこひょこっと生えてきます。
そして頭が出るとそこからは早い早い!ちょっと数日見ない間に、数十センチな勢いでどんどん伸びて行くのです〜〜



おっ、出てきたなあと思ってから一ヵ月ほど。もう踏み込めないほどこんもりと茂りました…(汗)


師匠が家の畑の端っこに植えた苧麻。一ヵ月そこそこで娘より大きくなっちゃってます。これ、地下茎で増えていくらしくてじわじわ畑を浸食中…!
ほんと、たくましい成長っぷりです。あやかりたくなる訳だあ〜


あんまり育ち過ぎると茎が堅くなっていい繊維(=糸の原料)がとれなくなりますので、そこそこ育ったところで刈り取ります。滋賀はあまり暖かくないですので麻が収穫できるのは夏の間だけ。それでも2回は刈れます。
一回目の刈り取りは6月の展示会前にあわただしく済んでしまいましたが、次は8月に刈る予定!刈り取った麻は、繊維を取り出します。これで手績みの糸を作って、メイドイン・滋賀の近江上布を作るのが、師匠の野望なんだそうです。

刈り取りと繊維の取り出し(苧引き)の様子も記録出来たら、またご報告したいと思います♪