今年最後のイベント参加のお知らせです。

「きものサローネin日本橋」に今年も参加いたします!

 

 

 

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「きものサローネin日本橋 (YUITO会場)」

 

2016 年 9 月 17 日(土)〜19日(月祝) 10:00〜18:00(※17日は12:00〜)
 

「YUITO」 日本橋室町野村ビル 5F/6F

(東京都中央区日本橋室町2-4-3
※東京メトロ銀座線・半蔵門線「三越前」駅A9出口直結)

入場料:無料

 http://kimono-salone.com/

 

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今年は9月、10月と会期が分かれて開催されるきものサローネin日本橋ですが、新之助上布は9月の販売イベント”きものカーニバル”に参加します。今年は9月の連休での開催です♪

全国から集まる様々な出展者ブースでのショッピングだけでなく期間中は体験コーナーやトークイベントなどたくさんの企画が開催されるようですので、お買い物と合わせて楽しめそうですね。

 

9月は夏ものから秋冬ものへ変わっていく合間の季節。雨が降ったり、昼間は残暑が厳しいことも…新之助上布からはそんな合間の季節にさらりと快適に着られて洗える綿麻着物や反物、すぐに使える麻の小物などを重点的にお持ちする予定です。去年より少し大きなブースでご覧いただきやすくなる、はず…!できたてほやほやの新作も少しですがお持ちしたいと思っていますので、どうぞお楽しみに!

 

 

以前に投稿した「新之助上布の麻ちぢみの風合いを長持ちさせるお手入れ」の2年越しの続編(?)です…
今回は新之助上布のしなやかな手触りがどうして生まれるのか?シボの風合いの持ちを左右するものは何なのか?という新之助上布の風合いの秘密!?を考えてみます。

 

そしてまたまた長文ですのでお気を付けくださいませ(汗)

 


唐突ですが生地は使うもの、ですね。(タペストリーなど飾って楽しむものも一部ありますが…)新品の風合いだけでなく、着用したり洗濯したりすることで起こる強度や風合いの変化も生地を使っていく上での楽しみのひとつかと思います。

風合いや強度といったその生地の持つ性格は、使われる糸の種類や太さ、撚りや糊付けといった加工の有無、さらに織るときの糸の密度、織りの組織、織った生地に施す加工の有無…といった様々な要素が複雑に重なり合って生まれているようです。(私も、まだまだ知らないことがいっぱいです!)
工場の仕事をしていて織りの色々な話を聞いたり様々な糸や生地に触れる中で、品質表示や洗濯タグに書ききれない違いやこだわりが生地一枚一枚に詰まっているんだなと感じます。

 

それは同じメニューでも味わいが全く違う、レストランの料理のようなものかもしれません。材料だけ、レシピだけ、隠し味だけ…一部の要素だけを取り上げて他と比べることは難しいように思います。
ですので今回のお話しは新之助上布の麻ちぢみについて、ということでお願いいたします!

 


 

【麻ちぢみの"シボ"の風合いを保つ撚りの力】

新之助上布の生地の風合いとして特徴的なのは「ちぢみ」といわれる表面のシボです。
本麻・綿麻ちぢみではともに平織りの生地を揉むことでシボをつけています。縮緬(ちりめん)などの生地は糸を強く撚(よ)って強撚(きょうねん)糸にし、糸の撚りが戻ろうとする力で生地にシボをつけるそうです。

滋賀には長浜の浜ちりめん(絹)や高島の綿ちぢみ(綿)といった生地もあります。どちらもシボの風合いが特徴です。私も高島ちぢみの肌着を持っているのですが、同じちぢみでもちりちりと均一に細かい凹凸が付いています。糸の撚りの力でシボが付くからでしょうか。面白いです!

 

ラミー麻の紡績糸にも撚りはかかっています。紡績する際にかける撚りは「地撚り」と呼ばれます。麻は素材に伸縮性がなく、撚りをかけないと糸に紡績することが難しいそうです。ふわふわのタオルなどには、無撚糸使用といった表記が付いているのを見ることがあります。綿は粘りのある素材なので無撚糸が作れるのかも…
糸が細くなるほど、その細さを保つための撚りも強くなります。地撚りだけではちぢみのシボを生み出すほどの力にはならないものの、細い麻糸にかかった撚りの力はちぢみ加工の際のシボの付きや持ちをより良くしてくれるようです。

新之助上布に使われているのは細番手の上質な麻糸。これをしっかり織りこむことで、シボの風合いの持ちが良くなるようです。

 

 

【しなやかな麻の手触りを生み出す細番手の糸】

 

また、新之助上布の麻を手に取って驚かれるのは、そのしなやかさです。
しなやかとはいえ麻なので綿や絹のようにふわふわとろとろではないのですが、麻といえばチクチクゴワゴワ…といったイメージをお持ちの方には、サラッとしなやかな新之助上布の麻の感触は意外かもしれません。

生地の薄さ、軽さは細い糸を使うことで生まれます。ですが麻糸は伸縮性のない素材のため細い糸を紡績することは難しく、織る時も大変です。機械織りといえばスイッチ一つで織りあがるのかな?と思っていた私も、良く切れる糸と格闘する織りの現場を見て驚きました…
糸を細くするほかには、糸の密度を少なくすることでも生地は薄く、軽く、柔らかくなります。糸を太くし密度を下げれば織りもスイスイ進んで楽になるのですが、ただ糸を減らすだけでは縫い目が割れたり、洗うとくたくたになったり…といった生地の強さや風合いの持ちの良さが失われてしまう恐れもあります。
織りを粗くする代わりには糸により強い撚りをかけたり不溶性の糊などを使うことで強さを補うこともあるようです。

 

 

当店の手織りの近江上布は機械織りに比べると少し目が粗いのですが、こんにゃく糊という不溶性の糊を糸に使用しています。手織り機のゆっくり緩やかな織りが生む風合いと相まって、ハリがありつつふんわり柔らかな生地に仕上がります。一方機械織りの麻ちぢみでは、細い麻糸を高密度に織ることで、薄くしなやかな風合いと丈夫さ、風合いの持ちの良さを両立させています。
透け感も機械織りの方がやや控えめです。機会があったら是非触り比べてみてくださいね!


大西新之助商店では以前はメンズアパレルブランドのシャツ生地を多く生産していました。さらりとした麻の良さを保ちつつ、長く着られる丈夫なシャツになるように…という厳しい検品基準をクリアするためのレシピを着物地の生産が主になった今も大事にしています。
洗濯を重ねることで柔らかく身体に添うように風合いが変化する過程も、生地を育てるような感覚で楽しんでいただけることと思います。

 

 

新之助上布の生地の風合いの秘密、いかがでしたでしょうか?
皆様の新之助上布も、着て洗って風合いを育てて…長く長く愛用していただければ嬉しいです。

麻ちぢみの風合いを保つお手入れについては「新之助上布の麻ちぢみの風合いを長持ちさせるお手入れ」の投稿も参考にしてくださいね!

 

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